指に、何か冷たい感触がして

そっと自分の左手を見ると

そこには、キラリと光るダイヤモンドの指輪がつけられていた。


「こっ、これっ…、」

『婚約指輪。ほんとは、会見する前に渡しとくつもりだったんだけどさ。』


あん時ちゃんと"結婚してください"って言ってなかったなーって思って、と

飛雅くんは私の手をとって、そっと撫でた。


「っ…、こ、こんな私ですがっ、よろしくお願いしますっ…、」

『ふっ…、それは、俺のセリフ。』