ローテーブルに置かれた紅茶とユニコケーキを前にして、ルル、ノア、アンジェラというルルーティカ王女勢力の有力者三人が顔を合わせていた。
 
「――それでは、ルルーティカ様への支持率をうなぎ登りにするために、足りないものを挙げていきましょう。加えて、私の主が『世界一聖王にふさわしい』と認めない枢機卿を物理的に排除する案も募集します。発言のまえには挙手を」

 ノアの私怨を交えた司会で、謎の会議がはじまった。
 真っ先に手を挙げたのはアンジェラだ。

「王族として、見た目にはこだわるべきだ。ドレスやアクセサリーなんかは一通りそろってるけど、移動手段が黒い一角獣ってのはマズいだろ。ジュリオは、宮殿を切り取ったみたいな金ぴかの馬車に乗って、護衛の軍人をわんさか連れ歩いてるんだぞ」

 ガレアクトラの軍人は、赤い色の軍服を身につけている。威圧感が凄まじいので、彼らを連れて歩くと、ジュリオがチャラチャラしていても真っ当に見えるのだ。

「見劣りしないように、こっちも上等な客車を用意して引かせるべきだ」

 紅茶を一口のんだルルは、うーんと考えた。