「先日までルルーティカ様を暗殺しようとしていたのに、ずいぶんな献身ですね」
「当たり前だろ。ルルーティカが継承争いからハシゴを下ろされたら、あたしはまた暗殺者に戻らなくちゃならない。それよりは、だらだらしてんのが生きがいの王女の世話して家事して、金貨をもらえる方がいいに決まってる」

 紅茶をカップに注ぐアンジェラは、ワゴンにのったユニコケーキにそうっと手を伸ばしていたルルを見て、足下をガンと蹴りつけた。

「てめえの頑張りに、あたしの安定がかかってんだぞ。わかってんだろうな、ルルーティカ!」
「っ、はい」
「声がちいせえ!」
「はいっ!!」

 どこぞの聖騎士団の団長と団員みたいなやり取りをみていたノアは、「それでは、今後の方針に向けて話し合いをしましょう」と言い出した。

「これより『第一回ルルーティカ様を立派な王位継承者に見せかけよう会議』を開催します」