アンジェラが来てからというもの、ルルの生活は劇的に改善した。

 まず、ネグリジェでウロウロすることがなくなった。
 起きたらまず身支度をして、日常着として仕立てたドレスを着付けられ、銀髪は宝石のついたバレッタで留められて、寝起きのままのだらしない格好でいることは稀だ。
 
 その上から毛布を被るのだが、ドレスは体にぴったりで丸くなるには不適当なので、毛玉にはならずにソファに横座りして、本を読んだり手紙を書いたりしている。
 お昼寝の回数が減ったので、空いた時間でお日様に当てている毛布は、いつでもほっこりふんわり温かい。

「これはこれで眠くなってきちゃった……ふわぁ」
「お休みになられますか、ルルーティカ様」
「ううん。もうじきアンジェラが来るから」

 キルケゴールの世話を終えたノアが戻ってきた。ということは、そろそろお茶の時間だ。今日はユニコケーキが付くだろうかとわくわくしていると、ティーセットを乗せたワゴンを押してアンジェラが入室してきた。

 彼女は、まったりしているルルとノアを見るなり、目をつり上げる。