この場から消えたくなっていると、ノアの目蓋がゆっくりと開いた。
 手探りでルルが近くにいるのを確認すると、じっと顔を見つめてくる。

「眠れましたか?」
「えっ、ええ。それはもう、ぐっすりと!」
「そうですか……」

 ノアは、ふっと微笑んだ。

「よかった」
「よくねーよ! なんでお前はルルーティカと一緒に寝てんだ。しかも暗殺者が来るかもしれないのに熟睡とかありえねえだろ!!」

 アンジェラのお叱りはごもっともだが、起き上がったノアは「寝たのは明け方です」とあくびを噛んだ。

「ルルーティカ様の寝顔を見ていたら、寝るのが惜しくて」
「えっ」