【コミカライズ】黒騎士様から全力で溺愛されていますが、すごもり聖女は今日も引きこもりたい!

 目を閉じてくちびるを重ねると、胸がきゅうと締めつけられる。
 彼女の他には何もいらない。自分の何もかもを差し出してもいい。人間に、心からそう思える日が来るなんて、二角獣の姿だったころは思いもしなかった。

 ノアにとってのルルは、宝石のように艶やかで、ケーキのように甘くて、壊れやすいものだ。たまに触れるのが怖くなるけれど、触れたらもう離したくない。

 愛しいルルの鼻に、頬に、額にキスの雨を降らせていく。手綱を放して細い腰をか抱きしめると、今度は彼女から頬にキスをしてくれた。
 そして、お互いに額を寄せて笑い合う。

 恋人たちの邪魔をしないように、キルケゴールはゆったりと空を飛ぶ。その軌跡が大きなハートを描くのを、地上の一角獣たちは慈しむように見つめた。
 一角獣の王に選ばれた聖女と、彼女を愛してしまった人ならざる騎士の未来に、幸せな結末があることを祈って。

 《おわり》