「それに! 裏庭を散策しようとしたら、ヴォーヴナルグ殿の命令で聖騎士が掘っていた落とし穴にはまったの! わたしが勝手に出て行かないように、道に大きな籠を設置しているのも彼らよ。まんまと罠にかかるのが面白いらしいわ。土を落としてくれたアンジェラは、『予定にないところに行くときは、ちゃんと周りの大人に知らせて、お菓子とお茶を持って行け』って諭してくるのよ」

「それも分かります。人知れずどこかで睡魔に負けて、お腹が減って動けなくなるのがルルーティカ様です。ヴォーヴナルグ団長は側にいるとうるさいですが、直感はさすがですね」

 ノアはやっぱり向こう側だ。
 過保護な彼らに、ルルはもううんざりしているというのに。