毎日、一等甘いイチゴを使ったユニコケーキは出てくるし、生活を支えてくれていたノアとアンジェラの負担は減ったけれど、ルルが望んでいる三食昼寝つき巣ごもりライフとはかけ離れすぎていた。

「このあいだなんか、息抜きに城を歩き回ろうとしたら、お兄様が廊下に張っていた糸にかかって逆さに釣り上げられるたの。どこで暗殺者と遭遇するか分からないとはいえ、やり方が強引すぎるわ。やっと下ろされたと思ったら『歩くのなら侍女を連れて部屋を出なさい』って叱られたのよ」

「気持ちは分かります。ルルーティカ様は、いつどこでお昼寝なさるか分かりませんから。毛玉状態で眠ってしまえば、そのままゴミとして捨てられかねません」

 ノアが兄の方に共感したので、ルルはむっとした。