大聖堂の扉を開けて、たくましい一角獣が飛びこんで来た。
 騎乗しているのは、聖騎士団の白い制服に身をつつんだヴォーヴナルグだ。

「ユーディト研究所跡を接収したところ、中から一角獣を捕えた檻が多数発見された。檻を管理していたユーディト地区の教会関係者らを捕縛。檻にガレアクトラ帝国の文字で識別番号が記されていたことから、密輸はガレアクトラの商用船を使って行われているとみられる! ここにいるユーディト地区の大司教らも捕縛する!」

 追従してきた聖騎士たちは、腰の抜けた大司教たちを捕まえた。
 ヴォーヴナルグは、一角獣の背から下りて、ルルの前にひざまずいた。

「ルルーティカ王女殿下、報告は以上です」
「ご苦労様でした。ヴォーヴナルグ聖騎士団長殿。働きに感謝します」