話を振られたノアは、彼にしては珍しく好意的な顔をイシュタッドに向けた。

「ルルーティカ様こそ聖王に相応しいお方です。反対するはずがありません。イシュタッド陛下が退いて、二度と顔を見せないというのも爽快です」
「はい、よく言えましたー。あとで絶対にボコるわ。そっちの君は?」
「ルルーティカに聖王になってほしい。イシュタッドの五千倍マシだ」
「どうして~!?」

 周囲の自分への期待値の高さに、ルルは目を回して倒れてしまった。