「身を守る狭いスペースは、ノアに抱き締めてもらうことで代用します。背中をつける壁はノアそのもの。毎晩のように実践して効果を確かめたところ、修道院時代より五十%増しで安眠できると判明しました。ノアがいないと満足して眠れないほどですのよ! ノアと添い寝するようになったおかげで、今では昼寝は少なくなり、国民からの称賛もゲット、一角獣に対したときだけ魔力が使えるようになりました!」

「はい、お兄ちゃん的にアウトー」

 腕を引いてノアから引き離される。プレゼンは大成功のはずなのに!

「なぜですの!?」
「逆になんで許されると思ったんだー? ルルが箱入りすぎて、お兄ちゃんは心配です。あとノワール、お前はあとでしばくから覚えてろよ」
『しばく必要がどこに? 私は壁です』
「壁は、お前みたいに、邪悪ではない……!」