岩のなかで平らな面を見つけたノアが体を横たえたので、ルルは彼のお腹のあたりに背をつけて座った。

「ほんとうだわ。地面そのものも温かいのですね」
「岩に横になると、もっと温かいぞ……って、お前ら、なんでそんなに密着してるんだ?」

 イシュは密着する二人を見て顔をしかめた。そういえば、兄にはノアとの関係を説明していない。
 ルルは、ビシッと一指し指を立てて解説し始めた。

「イシュお兄様。わたしは修道院で暮らすうちに『身を守って安心できる最高の巣ごもりスタイル』を確立したのです! それには、丸まるのにちょうど良いスペースと背中を付ける頑丈な壁が必要でしたが、一般的な部屋やベッドでは確保するのが困難。それを解決してくれたのが、ここにいるノアですわ!!」

 ルルは両手を広げて、新商品を売り出す商売人のように力説していく。