気づいたら病院のベッドに横たわっていた。怪我をした頭は包帯でグルグル巻きにされて、魔力を全て失っていた。

 親が研究所で働いていたという子どもが、病院に背負ってきてくれたらしい。その子は事故の関係者として聖騎士団に連行されていて、お礼も言えなかった。

 キルケシュタイン博士や研究者たちは、人工魔晶石の爆発に巻き込まれて死亡したことになった。
 ルルが、檻に捕らえられていた二角獣が起こした爆発だったと説明しても、誰も信じてくれなかったのだ。

 二角獣は、ルル以外の誰に見られることもなく消えてしまった。
 天空へ帰ってしまったのかもしれない。