ルルは、檻がある部屋を見回した。どこかに鍵があるのではないかと思ったが、高い天井も、磨き上げられた石の壁にも、そういった類いのものは見つからない。

 ぐるりと檻の周りを走ったルルは、部屋の入り口近くにレバーを見つけた。誰も手も触れないように、半球状のガラスカバーで覆われている。

 これは魔法だ。普通の人間ならば太刀打ちできない。
 だが、王女であるルルには魔力があった。
 王族のなかでも、特に強いと称賛される、とっておきの力が。

 ルルは、自分の魔力でガラスカバーを壊し、レバーに手をかけた。

(これで、あの子を助けられる!)