博士の説明をつなぎあわせて考えると、人工魔晶石に封じ込められているのは、この魔力だろう。

「あなた、無理やり捕えられているの?」

 ルルが話しかけると、二角獣は赤い瞳から涙をこぼした。
 黒い体はぐしょぐしょに濡れている。
 ずっと前から、ひとりきりで泣いていたのだと思った。

「待っていて!」