――無尽蔵の魔力を持つ『一角獣の王』が協力してくれているのです。

 休憩時間に出されたユニコケーキに舌鼓を打っていると、どこからともなく泣き声が聞こえた。

「今のはなに?」

 従者が席を外していたので、ルルは一人きりで部屋を出た。
 声の主を探していくと、研究所の最奥にあった立ち入り禁止の部屋で、真っ黒な二角獣《バイコーン》の子どもを見つけた。

「わぁ……!」

 生まれて初めて見る二角獣に、ルルは魅了された。

 頑丈そうな檻に入れられた二角獣は、片方の角が折れていて可哀想だ。
 檻の上部には、蛇腹パイプがつながれていて、ボコンボコンと奇怪な音を立てながら魔力を吸い上げている。