むき出しの独占欲に、ルルはびっくりしてしまった。
 うるむ赤い瞳には、普段のノアが決して見せない、大人びた欲望が宿っている。淡泊な彼が、こんな表情をするとは思わなかった。
 どうしたらいいのか分からなくて、ルルは赤くなった顔をうつむける。

「つ、次の機会があったら、ノアと踊るわ」

 すると、ノアはクスリと笑った。

「……はい。上手にエスコートできるように練習しておきます」

 ルルはドキドキしながら、しばらく彼に頬をなでられていたのだった。