(順調にはいかないものね)

 毛布の間から、にゅっと頭だけ出したルルは、デスクに積み重なった切り抜きに目を丸くした。

「そんなに切って、どうするの?」
「アルバムに貼り付けて保管しておきます」
「する必要ある?」
「捨てろとおっしゃるんですか? ルルーティカ様がのっているのに??」

 ノアは、わけが分からないと言いたげに、小首を傾げた。
 彼にしてみたら、ルルにかかわる物には全て価値があるのだろう。河原で拾い集めた小石を宝物のように思う子どもみたいだ。
 
(わたしを崇拝する気持ちは以前と変わらないのね)

 教会裏の一角獣の飛来地で、失ったと思っていた魔力が発露したときは、嘘つき呼ばわりされると思った。
 しかし、ノアは特に問い詰めることもなく、普段通りに接してくれている。