「ジュリオ王子殿下、乱暴はお止めください。嫌がっているではありませんか!」
「僕を嫌がるなんて不敬だ。しつけがまるでなっていないね」

 ジュリオは、騎士から鞭を受け取ると、いきおいよく振り上げた。

「この機会に教えてあげよう。人間には従うものなのだとね!」
「やめて!」

 ルルが体を滑り込ませて一角獣をかばう。
 鞭が振り下ろされた途端、全身から閃光が放たれた。

「うわっ!?」

 あまりのまばゆさに、ジュリオと軍人はよろけて座り込んでしまった。驚いて立ち尽くすルルは、自分の体を見下ろした。

(何が起きてるの?)