「緋那、暇だから遊んでよ」

「あそんでー」



食後になれば、兄妹揃ってトランプを持ってくる。遊んであげたいのは山々だけど、食器洗いが終わってない。

それに普段より多い家事を終えるのに一杯一杯で、まだ手が付いていない学校の課題が沢山ある。



「ごめん、ちょっと忙しいから2人で遊んでもらえるかな」

「えー緋那も一緒がいい」

「いっしょがいい!」

「本当に忙しいから…ね?お願い?」

「やだー」



やんわり断るけど聞いてくれる気配のない兄妹に困っていると、長い溜息を吐きながら叔母さんがやって来る。そして2人の肩を支えて私を睨みつける。



「高校生のお姉さんなら小さい子の面倒も見なさいよ」

「え…でも」

「一々言い訳しないでくれる?せっかく遊びたいって言ってくれてるのに、緋那ちゃんは可愛くないわね」



さ、お母さんと遊ぼっか。と兄妹を連れて別の部屋へ行く叔母さんを呆然と見送る。

いや、私の背後にあるシンクの状況見えてるよね?それに可愛くないとかは今関係ないし。

このまま理不尽な状況について考えていると、延々と不満は出てくるのでこれ以上考えるのはやめて、残った片付けをすることにした。