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「(よし、いい感じ)」
2回目の休日デート当日、映画館がある複合施設の入口前で髪型の最終チェック。今日は橘先輩が映画の優待割引券をお兄さんから貰ったらしく、ちょっと安く映画が観られるみたい。
前回同様、楽しみ過ぎて少し早く着いてしまった。またこうやって待ち合わせて2人だけで出掛けられるなんて嬉しいな…これからこれが当たり前になってくれたら尚更。
「やっぱり早いな」
「橘先輩。えへへ、そうでしょう?」
数分後、数メートル先の駅からやって来た彼の姿を目にするとついそれだけでにやけてしまう。
今日もかっこいい、顔を見ただけで大好きだって思うから相変わらず私は単純だ。
「先輩は今日もかっこいいですね」
なんだか機嫌が良くって、つい思っていることを正直に口にしてしまう。
また「何言ってんだ」か「はいはい」って言われるかなと思っていたら。
「ああ、そう…」
ん?何かおかしい?
目を合わさないで彼はそれ以上何も言わない。いつももっと呆れてるのに、どうして?じっと彼を見続けるけど、全く目が合わない。
「何だよ」
「先輩が全然目合わせてくれないから」
ずいっと近付いた時、思ったより近くに行き過ぎて彼の顔が近くなる。あ、しまった。
