「そこは思い切って良かったのにねえ」
「まあ常識的にいきなりマジですんのはってことでしょ」
「え、え?どういうこと?」
「自分の彼女だって言い切るんだったら、さっさと好きって言えばいいのにってことよ」
「すっ……」
英美里ちゃんの言葉を聞くと、顔が一気に熱くなる。
橘先輩から私に告白、なんて。そりゃさすがに今回は期待していいと思ったけど。
「ひぃちゃんだってさすがに分かってるでしょ。橘先輩が自分のことどう思ってるか、せめてこの夏の間に返事もらいなさい」
「うん。分かってる…」
あとは待つだけ、こっちから切り出してもいいのかもしれないけれど。
でも何でだろう、切り出さなくてもあとは待つだけで大丈夫、そんな気がしていて。勿論意識はしておかなくちゃいけないけれど、なんだか焦らなくても大丈夫な気がしていた。
そんなことを考えていると、スマホの通知がなる。相手は玲央ちゃんからだ。
「あ、ごめん。ちょっとだけ返信していい?」
「全然オッケー」
「私らも自由にしてるから許可取んなくていいわよ」
「ありがとう」
念の為2人に断りを入れてからスマホを開くと、想像通りの返信が表示されていた。
