「なんでお前が一々気遣わなきゃなんねえんだよ、1番困ってるのはお前だろ。別に俺から離れたくないんだったら我慢しなくていいんだよ、なんでわざわざ犠牲になろうとするわけ?そういうのいらないから」
けれどただ苛立っているだけではなくて、なんだか寂しげにも聞こえる。
なんで、なんでそんな苦しそうな顔をするの。
どんなに優しくないこと言われたって気にしないし、彼が不器用なだけなのも分かってる。
だけど彼の複雑そうな顔も、言葉の意味も分からなくて。悲しいような怒りのような感情に蝕まれる。
「確かに余計かもしれないけど……だったらじゃあなんでそんなにイライラしてるんですか。先輩がイライラしてる理由が分からないから、こっちだって気遣いますよ、なにかあるんだったらはっきり言ってください」
それでも、ただ彼の気持ちを理解したくて、ちゃんと自分の思いを伝えたつもりだった。
「別に何もねえって。ほっといて 」
彼からそう言われるまでは。
「……じゃあもう、いいです。知らない 」
気がついたら、そう口にして背を向けていた。
もうすぐ始業のチャイムも鳴るし、貴方がそう言うなら私だってもう構わない。
失望感と無力感でごちゃ混ぜになって、やるせなくて。
いつもだったらもう少し許せるのに、でも今日はどうしても彼の突き放すような言葉を受け入れることは出来なかった。
