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カフェラテを買って帰ってくると、言い争いは一先ず落ち着いているようだった。少し離れて座る2人は、互いに背を向けているものの、さっきのような緊張感はない。よかった、ほっと胸を撫で下ろす。


「おかえり~ひぃちゃん」

「大分時間掛かってたみたいだけどどこか寄ってたの?」

「あ…えっと中庭の自販機に行ってたんだ。コーヒーの種類多過ぎて逆に迷ってたから時間掛かっちゃって」


一ノ瀬先輩のことは言わない方がいい、あの人とはもう関わる気もないし過去のことは2人も知らないし。

英美里ちゃん、紗英ちゃんと話していると玲央ちゃんに手を掴まれる。



「緋那、帰ってきたならこっち座れ。ほら隣」

「え、でも私、」

「すぐ神山困らせんなよ。さっきの席戻ったら」

「橘先輩まで…」



玲央ちゃんの誘いに躊躇していると、その反対方向から橘先輩が玲央ちゃんを制止するように声をかけてくる。

あ、まずいかも。既に睨み合っている2人の原因を作ってしまっている気がする。



「ここ空いてるので!私こっち座るからいいよ玲央ちゃん。橘先輩も大丈夫ですから…」

「しゃーねえなあ…」

「…分かった」



慌てて英美里ちゃんと紗英ちゃんの間の席を取ると、なんとか納得してもらえた。本当に油断出来ない、自分が原因とはいえやっぱりこの調子だと疲れる。