当分言い争いは終わる気配も無さそうだ、こんな日常いつまで続くんだろう。むしろ悪化してるしどうにかしなくちゃいけない、そう思ってるのにやっぱり何も出来ないし、毎日ぐるぐる考えるばかり。
そればかりで頭がいっぱいのせいか、最近寝不足が悪化している。
「ひぃちゃん最近眠そうね」
「うん。ちょっと寝不足で…午後の授業集中出来そうにないしコーヒー買いに行こうかな」
「今のうちに行きな。多分気づかないから」
「そうだね。ありがとう、ちょっと行ってくる」
2人にそう告げて、そっと席を離れると中庭の自動販売機へ向かう。
少し遠いけどここが1番コーヒーの種類が多かったはず…じわじわと日が差す中庭に着いて確認すると予想通り、ブラックコーヒーだけでも4種類あった。
ここで正解だったな。暑いから迷ったけど来てよかった。どれにしようか悩んだ結果、結局1番好きなメーカーのカフェラテを選んだ。
買ったカフェラテを取って早く教室に帰ろうと振り返った時だった。
「こんにちは」
丁度目の前で1人の男子生徒が、にこやかな表情で私に話しかけてきた。
この人、確か玲央ちゃんの従兄弟の…
「一ノ瀬先輩、でしたっけ」
「うん、そうそう。覚えててくれたんだ」
京也でいいよ、と言ってくれるけど笑って誤魔化す。
玲央ちゃんと一緒に転校してきた時以来会ったことも話したこともなかったけど、なんだかこの人は苦手だ。
穏やかそうで一見優しそうな雰囲気なのにどうしてそう感じるのかは自分でも分からないけど、なんとなく距離を置いた方がいいと思っていた。
