玲央ちゃんに連行された翌日。



「なんでお前は毎日毎日緋那にくっついてやがんだよ」

「そっちこそ昨日の今日でよく来れんな」



今日は久しぶりに5人でお昼を食べようと教室に集まっていた矢先だった。

いつも通り私に会いに来た玲央ちゃんと居合わせた橘先輩との空気が、これまで以上に悪い。


…単純に嫌いだからって意味、分かった気がする。根本的に相性も良くないんだな、この2人。

より険悪モードの2人をどう制すればいいのか、どうすることも出来ずにただこの光景を眺めている、という訳だった。


「えーっとさ、お互い気に入らないのは分かるんだけどさ!とりあえず睨み合いやめよ?みんな見てるしさ、せっかくの昼休みじゃん!な?橘?」

「睨んでなんかない。どう見ても邪魔なのに空気読めなくてガン飛ばしてくるの馬鹿だな~と思ってるだけだよ」

「じゃあ追い払って見やがれってんだ、出来ねえくせに口だけは偉そうだな?意地でもテメエの邪魔は続けるぞ」

「そういうとこが嫌がられんだよ馬鹿」

「頼むから仲良くしてくれよおおお…」



仲裁しようと菅原先輩が声をかけてくれたものの、険悪ムードは緩和する様子はない。

玲央ちゃんも行く気はないようだし、昨日までは私が絡まれるまで玲央ちゃんを相手にしていなかった橘先輩も無視するのは止めてしまったようだ。

なんだかわざわざ睨み合いするためにここにいるみたいになってるような気がする。