「でも橘先輩があの人をまともに相手にすんのは意外だったな。ガン無視でいくと思ってた」
「まあこんだけひぃちゃんが絡まれてたらさすがに放っておけないんでしょ。案外ひぃちゃんには優しくしてくれてるみたいだし」
「うん…私も凄く助けられてる」
玲央ちゃんにどれだけ付きまとわれようと、橘先輩はこれまでと変わらずに私のところに来てくれた。
毎回様子見に来てくれるって言ってたのは、さすがに申し訳なくて断ったけれど(そもそも教室にいないようにしてるし)それでも昼休みはいつも一緒に居てくれる。
彼本人は、基本玲央ちゃんのことは無視したいみたいだし、私が絡まれなければわざわざ相手にしたりしない。
結局迷惑をかけているのは私なのに、私を全く責めないでただいつも通りに接してくれる。
「本当に、どうしたらいいんだろう…」
今実際私がしてるのは、橘先輩の部活だけは邪魔しないようバスケ部見学をしないことくらいしかない。
「諦めつくまで無視して抵抗するか、邪魔する気なくなるくらいに恋人らしくなる……とか?」
「それまで持たないわよこんな生活」
せっかく橘先輩と上手くいきそうな気がしてるのに、今は困らせるばかりせむしろ玲央ちゃんと過ごす時間の方が長い気がする。
