奏の目的地としている場所に着くまで、手を繋いで歩いていた。
キュンキュンが止まらない。
出来たら、ずっと繋いでいてほしいかも…
と、
思ったところで目的地に到着した。
ベンチに座るのと同時に手は離されて、少し寂しい気もするけど…手を繋いでいない方が平常心でいられる。
けど、何か急に物足りない感じがする…
奏の手は魔法みたいだね。
けど、小心者だから自分から繋ぐ勇気はなくて…待つことしか出来なかった。
「前に彼氏いた?」
と、
突然質問をしてきた奏。
いないと言っていいものなのか…悩んだけど、いると嘘をついてバレた時が怖いから『いない』と答えた。
「意外」
『奏は?』
聞かなくてもわかってるけど、聞いてみる。
何て答えるかなっていう好奇心だった。

