結局、その後も寝て過ごしていた奏。
こんなに寝て、夜寝られるのかな…
目を擦りながら、私の帰り支度を待ってくれていた。
カバンに荷物を入れたり…
友達と話をしていたら奏に「遅い」と怒られてしまった。
寝起きだから尚更かな。
奏が電車で帰るから駅までの道のりを一緒に歩いていたが…お互い無言だった。
私は耐えられなかった。
このまま帰っちゃおうかと思ったけど…それも嫌で自分から話しかけてみた。
『怒ってる?』
「怒ってないよ」
『顔が怖い』
「13年間、この顔なんだけど…」
そう言われれば…そうなのかも。
正直、笑いそうだった。
けど、教室で「遅い」と言った時の奏の顔はヤバいくらいに不機嫌に見えた。
あの顔で、
怒ってないって言われても説得力がない。
『じゃ、笑って』
と、
言うと作り笑顔をして私を見た奏。
何だか、可愛かった。

