色々辛い話をさせてしまったけど…聞いて、良かったなと思っている。
そのお陰で、
全力を尽くして奏を笑顔にしてみせる。
この、強ばった顔が笑顔になる時が楽しみだな。
『今何時?』
と、
奏に確認すると意外とヤバい時間だった。
あと1分でチャイムが鳴ってしまう…
次の授業の先生は厳しいから、遅刻するわけにはいかない。
『教室戻ろう』
「このまま帰ってみる?」
『ダメ』
「厳しいな」
『行くよ』
私は奏の少し前を歩いていたら…急に後ろから飛び乗ってきた奏。
そんな、
子どもっぽいところもあったんだね…
後ろを振り返った瞬間にキスをしてきた。
まさか、計算されてたのかな。
奏の思う通りだったら、恥ずかしすぎる。

