教室に行っても、暖房は消されていて寒かった。
これ、絶対風邪引くじゃん。
寒気が止まらないもん。
逆に明日、風邪引かなかったら私は人間じゃないと思う。
『担任のところ行こう、心配してたよ』
「あいつは口だけだよ」
『口だけでも、口に出さないよりはマシじゃん』
「お前、ポジティブすぎてイライラする」
『イライラしてていいから行くよ』
さっき、キスしたと思えないくらい…いつも通りの会話で安心した。
嫌々ながらも、
ちゃんと着いてきてて笑いそうだった。
『福井先生いますか?』
「おぉ、こんな遅くまで長道どうした」
『この方、連れてきました』
「おぉ、白石!元気か?」
「元気」
「応接室で座ってて」
「無理、帰る」
「長道と一緒でいいから」
「長道と一緒でも無理だから」
え、何でよ!
私と一緒ならいいじゃん。
と、
思いながら先生と転校生の会話を後ろから聞いていた。

