『今どこにいるの?』
「教えない」
『みんな、心配してるよ』
「それは言葉だけな」
『本当だよ』
「…ありがとな」
転校生の言葉に泣きそうになってしまった。
一人で、何を抱えているんだろ…
何を思って、私の電話を取ってくれたんだろう。
そう思ったら簡単に電話を切れなかった。
『誰にも言わないから、どこにいるか教えて』
「ここ」
『私は屋上にいるよ』
「友達んち」
『ここに来て』
「無理」
『ずっと待ってるよ』
「帰れよ」
『帰らない』
「勝手にしろ」
『じゃ待ってる』
と、
言うと電話は一方的に切れた。

