来て欲しくなかったお別れの日。
朝から何だか、憂鬱だった。
一生のお別れではないけど…気分はそんな感じ。
どん底。
『あ〜無理だ、紗良は生きていけない』
「意外と人間は強いよ」
と、
前向きに話掛けてくれる湊だけど…前向きな事にどんどんイラついてくる。
寂しいのは私だけなの。
湊は、私も離れて寂しくないの…
勝手に考えて勝手にイライラしていた。
『もういい』
「何がいいの?」
湊はそう言って抱きついてきたけど…素直に受け止められず自分から離れた。
正直、
その瞬間の湊の表情は見られなかった…
「昨日、頑張ろうって話したじゃん」
『頑張ってるじゃん』
「何で、喧嘩腰なの?」
『別に』
素直になれない私が悪い…
こんな態度を取っても怒らず、向き合ってくれる湊は誰よりも大人にみえるよ。

