「早く施設を出て働いて自立したいと思ってたけど…初めて働きたくないと思った」
『湊…』
「でも、父親にさせてくれたから頑張る。会いに来るから待っててね」
『うん、待ってる。無理しないでね』
まだ、バイバイじゃないのに…大号泣の私。
泣きすぎて、湊に笑われる始末。
湊だって、泣いていいんだよ。
『湊は泣かないの?寂しくないの?』
「紗良が泣きすぎて、引くんだけど」
『何で!ばか!』
八つ当たりで湊の胸らへんを叩いた。
ら…
急に気絶している真似をする湊。
びっくりするからやめてほしいんだが…
手は心臓に手を押さえて、目は瞑って、口は空いていた。
『朝陽が…朝陽?』
「何?」
『起きた』
「最悪だな、紗良」
なかなか面白い…
泣いていたはずなのに、大爆笑だった。
「紗良が怖い…泣いたり、笑ったりどっちかにしてくれない?」
『いいじゃん』
笑ってるのが一番幸せ。

