「妊娠初期の症状にしか思えない」
『ぇ…無理。』
「妊娠検査薬買ってきたから…」
と、言ってママに渡された箱には「妊娠したかな?と思ったらこれ」と書いてあった。
に、妊娠?
湊との子どもがお腹の中にいるのかな…
嘘でしょ。
この吐き気は、風邪だと信じたい…
まだ、妊娠が確定したわけではないのに…頭の中には色々な想像が浮かんできていた。
正直、怖かった。
『妊娠してたらどうしよう…』
「それは湊くんとちゃんと話しなさい」
『…ぅん』
検査薬の箱の後ろには生々しく、使用方法についてが書いてあった。
それを、読み上げるママ。
鳥肌と震えが止まらなかった。
けど、いつかやらなくては終わらない。
私は、検査薬を手に持ってトイレに入った。

