てっきり、湊は駅方向に向かっていると思っていたら駅ではない方向へ曲がり始めた。
え、
この人は、どこ行くつもりなんだろう…
もしかして、私の家まで送ってくれるのかな。
平日に家まで送ってくれる何て、湊の機嫌が最高潮な時くらい…
今日の湊が、最高潮とは思えないけど…
内に秘めているものがあるのかな。
それか、私を誘拐するつもりなんだろうか…
少し不安になったから…湊に聞いた。
『これ、どこ向かってる?』
「紗良の家」
『送ってくれるの?』
「やだ?」
『いい』
私の家が目的地だと知り、歩く気が伏せたから湊の後ろに乗せてもらおうと思い、勝手に乗ったらよろけた湊。
「乗るとか言って」
『乗った』
「あほ」
『何でそういう事言うの、馬鹿』
と、
湊の背中を私の力一杯叩いた。

