そんな話をしているとは知りも知らず…奏がお迎えに来てくれた。
『起きてた?』
「うん」
『えらいじゃーん』
と、
ほっぺを触ると勢いよくキスされそうになったけど、見事に避けることができた。
私の、反射神経も馬鹿にしたものじゃない。
まだ、健在です。
ほっぺを触ったのも悪いけど…褒めただけ。
褒めるたびにキスされていたら、キリがない。
それに、こんな人がいる中のキスはやだだった。
どんなに、奏の事を愛してても…
奏はわかりやすく、ふてくされていて…つい笑いそうになってしまった。
屋上に行った時に、
『人がいるところでちゅするのはやだ』
と、
言うと「じゃ、しない」と言われた。
『2人の時にしよう』
「俺は紗良しか見えてないけどな」
嬉しい。
嬉しい言葉だけど…喜んでいる場合じゃない。
奏の機嫌を直さなくては…

