先生は入り口の方へ移動して、ドアを開けてた。




「転校生はいます」と、言うのと同時に、転校生が教室に入ってきた。



噂じゃなかったみたい…

転校生が来る話は本当だった。





でも、みんなが思い描いていた転校生ではなかったみたい。


明らかに、

みんなの肩が落ちているのがわかった。






残念というか、仲良く出来るかなという不安があったはず。



クラスの中には、いない雰囲気で…

不良混じりな男子という感じだった。






「名前教えてください」

「白石湊(みなと)です」

「よろしくお願いします！拍手」



と、

担任は先導して、拍手をした。





拍手が終わった頃に、先生は恐ろしい事を私に向かって言った。




「長道の横に座って」

「長道って、誰？」

「長道、手上げて」




この短時間で、私の苗字を連呼すんな！

と、

思いながらも先生に言われるがままに手を挙げることしかできなかった。