『奏、教室いこう』
奏の腕の中から抜けて、起きるのを待っていると嫌々起きてくれたのはいいけど…
「行きたくない、寝たい」
と、
言って私の肩に顔を置いて甘えてきた。
可愛いじゃん、
それに、帰っちゃう?何て言いそうになった。
いやいや、違うちがう!
私まで、湊に染まるところだった。
『行くよ』
「随分、意地悪だね」
『チャイム鳴っちゃうよ』
「早く鳴ってくれ」
私は奏の手を引いて、無理矢理立たせようしたけど…勝てる余地さえなかった。
変な笑みを浮かべていた奏。
ムカつく奴。
意地悪だねって言うけど…奏の方が意地悪だと思う。

