『どうして麻衣が謝るんだよ。』
「ごめん・・・」
『全部、俺の勝手だ。麻衣のおかげで俺は夢をつかむことができたし、あの時、夢を選ばせてもらったから後悔だってしてない。感謝してるんだ。それに都合よすぎだよな。』
泣いている麻衣をなだめるように理久がわざと明るく言う。

「理久・・・」
抑えようと思っていた気持ちに今はストップがかけられない。

「ひどいこと・・・いっぱい・・・ごめん・・・」
涙に声を詰まらせる麻衣。
理久の想いを知らずに、傷つけるような言葉を言って拒絶してしまった。

でも正直麻衣にはわからない。
今、理久にあの言葉は嘘だと言ったらどんな未来が待っているのだろうか。