『また困らせるようなこと言ってごめんな。』
ごまかすように笑う理久。

「・・・ごめんね・・・理久・・・ごめんね・・・」
麻衣は心が痛んで仕方なかった。

理久は夢を選んだんだと思っていた。
夢のためには麻衣の存在は理久の足かせになってしまうと思っていた。
だから、背を押されて進みだした理久を見て、自分から解放されて羽ばたけたんだと思い込んでいた。

でも、違った・・・。
理久はちゃんと自分を想ってくれていた。
あの日の想いもわかってくれていた。

そのうえで・・・ここまでがんばって・・・会いに来てくれていたんだ。

なのに、理久に何度も謝らせて・・・何してるんだろう。

麻衣は申し訳なさに、謝らずにいられない。