謝る理久に麻衣は首を横に振る。
「それから、病院には俺から話はしてある。退院まではこの病院にいられるけど、マスコミの過熱具合によっては早めに退院になるかもしれない。その時のために、いくつか病院と医師をあたってて、何かあればすぐに対応してもらえるようになってるから、そこは安心してほしい。」
「ありがとう」
「いや・・・ごめんな。」
「理久、謝らないで。」
麻衣が理久の手を握る。
「一緒でしょ?」
「あぁ。一緒だ。」
2人目をあわせて微笑みあう。
大丈夫だと視線で伝え合いながら、理久は麻衣の体を抱き寄せた。

「俺がこの病院に来ると迷惑になるから、明日の朝、隙を見て病院からでたら、退院まではここに来られないと思う。」
「え?」
「退院まで一緒に居たい気持ちはある。でも、俺が来ることによって、麻衣にも負担になるし、病院に迷惑が掛かる。だから、麻衣が入院している間はここには来ない。」
「・・・」
理久の胸の中で少し体をこわばらせる麻衣。