「明日の午後1時から帝国ホテルで会見を開くことに決まった。報道各社もだけど、生中継でいろいろなSNSでも配信される。俺の言葉がちゃんと届いてほしいと思うから、生中継にこだわった。」
「うん」
麻衣の髪を撫でながら話を続ける理久。
「麻衣のお母さんの泊ってるホテルにもマスコミの関係者が集まってるらしくて、俺の会社の社員が何人かお母さんの護衛役としてついてる。」
「うん」
麻衣の母からも、ホテルの状況や理久の事務所の社員がすでに助けに来てくれたと教えられている。

「加藤さんには俺から連絡をした。」
「うん」
「明日、麻衣からも連絡をしてちゃんと話したいと思うけど、まずは加藤さんに麻衣の会社にも報告をしてもらった。ごめんな、俺から連絡して。」
「ありがとう」
今の麻衣には何からどう話をしたらいいか分からなかった。
だからこそ、理久から麻衣の会社にも連絡をしてもらえたことが助かった。

「私からは明日、会見の前に連絡をして報告する。」
「あぁ。体調のこともあるからしばらく仕事は休むようになってたと思うけど、今回のことで余計に今まで通りには仕事ができないかもしれない。ごめんな。」