「さて!あとは家具とか雑貨とか、一番重要な結婚指輪だな。」
理久は雰囲気をかえるように、机の上にパソコンやパンフレットを広げると、麻衣に見せ始めた。

どれも麻衣も理久も趣味が似ていて、すんなりと決まっていく。

「来週の退院に合わせて、もうマンションにものを運んでもらわないとな。麻衣の部屋に残ってる荷物も、よければ俺、お母さんに手伝ってもらって来週までに運ぶけど、どうする?」
「・・・いいの?」
「退院してもしばらくは無理できないし、結婚をマスコミに発表すれば外出するのが今まで以上に大変になる。麻衣の体調も心配だし、できればそうしたいってお義母さんとも話してたんだけど、どうかな
?」
「じゃあ、甘えようかな。」
正直、麻衣もまだ自分の体力に自信はない。
産婦人科の医師からは今のところ安定しているとお墨付きをもらっているもの、足の痛みや腕の痛みで時々バランスを崩すこともある麻衣は、慎重に過ごさないとならないと自分でわかっている。

「了解。来週の退院が楽しみだな。」
そう言って無邪気に笑う理久を見ていると麻衣も、悩みなど忘れてしまいそうになる。