再会は涙色  ~元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語~

もう会いたくなかった。

麻衣はそう思いながらアパートの階段を登る。
後ろからついて歩いてくるその足音。

声を聞かなくても、その足音だけでも誰だか分かる。

それは一緒に過ごした時間が長かったからではない。

ずっとずっと探していたからだ。

この5年・・・ずっと気づけば探してしまっていた。

部屋のカギを開けて、中に入る。
とまった足音に麻衣が振り向くと玄関で立ちすくむその人。

「入って。誰かに見つかったらどうするの?」
麻衣の言葉にその人は部屋に入り、玄関の扉を閉めた。