再会は涙色  ~元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語~

「麻衣」
その時、後ろから名前を呼ばれて麻衣は振り返った。

「どうしているの?」
その声を間違えるわけがない。
麻衣は慌ててその声の主の方に近づき、あたりをきょろきょろを見渡す。
「話がしたい。」
「私はもう話なんてない。」
「俺はある。」
麻衣よりも背の高いその声の主。
黒のパンツに黒のパーカー。
深々と黒いキャップをかぶっている。
眼鏡とマスクもしていて、ほとんど顔が見えない。

「帰って。お願い。誰かに見つかったら。」
「話がしたいんだ。頼む。」
麻衣は少し悩んでから、仕方なく部屋に向かった。