再会は涙色  ~元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語~

「で、困ったことってなんだ?」
「ちょっとしつこい人がいて。また、お願い。」
「また?誰?」
「この前のイベントの営業マン。私が忘れ物しちゃって連絡先を教えたのが悪いんだけどね。」
稜真が麻衣の方を鋭い視線で見下ろす。
「あいつ、打ち合わせの時からなんか変な態度だったよな。お前、本当に気をつけろよ?この前だって危ない目に遭ってんだろ。」
「ごめんなさい。」
「この前のやつは?もう待ち伏せされてないか?」
「うん。もうあの日以来見てない。」
「本当に気をつけろよ?」
その”この前のやつ”も、仕事で会った人だった。
帰り道をつけられて、交際を申し込まれた。
断る麻衣にもしつこく数日麻衣のアパートの前で待ち伏せをされて、仕方なく稜真に恋人役になってもらい追い払ってもらったのだった。
「いつかもっとひどい目に遭ったら大変だろ?普段から気をつけろ?なんなら毎日一緒に帰るか?」
「それは大丈夫。」
「ははっ。本気で嫌がるなって。」
稜真と麻衣はお互いの住んでいる場所を知っている。
むしろ歩いて10分とかからない距離だ。