「麻衣、こっち頼む。」
「了解」
慌ただしい現場。
今日はモデル50人が参加する大規模なイベントに呼ばれている麻衣。
ヘアメイクアーティストとして仕事をしてから5年。
専門学校を出てから今の会社に就職して、先輩のアシスタントを2年してから独り立ちした。
「稜真、21番ブース完了」
「了解。次俺22番だからその次になる。」
「おっけー。」
麻衣とイヤホンマイクで話しているのは仕事でよくペアを組んでいるスタイリストの加藤稜真。
入社時期も同じで、独り立ちと同時にペアを組んで仕事をするようになった。

今回のイベントではあらかじめ何度も先方の企業と打ち合わせをして、どのブランドを使うか、イメージはどのようなものかを確認してある。
二人は企業からの要望とモデルのイメージをうまくかみ合わせながら麻衣がヘアメイク、稜真がスタイリングをしていく。