諸刃の剣

「いい?篠田」

私たちは今日、お互いにとって諸刃の剣の呪いをかける。

ここで有名になってしまえば、お互いに無傷じゃ済まない。

それでいい。それがいい。

「いいよ」

竜胆の、思ったより骨張った指が、送信ボタンを押す。

高揚感で、体温が上がる。

隣で、竜胆が笑う。

結構、幸せだった。


『彼女できた!』