「ごめんね」
その言葉をもらうってことは、なんとなくわかっていた。
いいや、わかっていたことにしたかった。
だって、そうしないと泣いてしまいそうだから。
「……先輩、ありがとうございました。あと、なんか告白しちゃって、ごめんなさい」
「いや、こっちこそごめんね。俺、他に好きな人がいるから」
「ううん、いいんです。それじゃあ」
その場を笑顔で去るのがマナーだと思った。
大好きな先輩にこれ以上困った顔をさせたくない。
背中を向けて去る時に必死に泣かないでおこうと思ったけれど、心とは裏腹に目からは涙がこぼれていく。
近くで待っていてくれたマリナがそっと肩を抱いてくれる。
「次の恋にいこうよ」
「……いけるかな」
「そうしないと埋まらないよ、恋の傷って」
「埋まるかな」
「埋めるんだよ、それでも残るなら……いい恋だったってことだよ」
「そっか……」
胸に残る痛みを抱えながら、私は涙を拭う。
そして、心のどこかで思う。
「この傷が、残りますように」と。
その言葉をもらうってことは、なんとなくわかっていた。
いいや、わかっていたことにしたかった。
だって、そうしないと泣いてしまいそうだから。
「……先輩、ありがとうございました。あと、なんか告白しちゃって、ごめんなさい」
「いや、こっちこそごめんね。俺、他に好きな人がいるから」
「ううん、いいんです。それじゃあ」
その場を笑顔で去るのがマナーだと思った。
大好きな先輩にこれ以上困った顔をさせたくない。
背中を向けて去る時に必死に泣かないでおこうと思ったけれど、心とは裏腹に目からは涙がこぼれていく。
近くで待っていてくれたマリナがそっと肩を抱いてくれる。
「次の恋にいこうよ」
「……いけるかな」
「そうしないと埋まらないよ、恋の傷って」
「埋まるかな」
「埋めるんだよ、それでも残るなら……いい恋だったってことだよ」
「そっか……」
胸に残る痛みを抱えながら、私は涙を拭う。
そして、心のどこかで思う。
「この傷が、残りますように」と。